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沈む港町 三陸の打撃深刻 養殖施設が破損や流出(河北新報)

 チリ大地震による津波は全国屈指の水産地域・三陸を混乱に陥れた。特に養殖業は施設の破損や流出が相次ぎ、関係者が不安げに海を見つめた。港では漁業者が高台に避難する前に、漁具の片付けや漁船を港外に移す作業に追われた。漂流する養殖施設が今後の漁に悪影響を与える恐れもある。

 「養殖施設のロープが津波でかなり切られたようだ。漁師になって40年近く、こんなことはまずなかった」

 岩手県山田町の大沢漁港。地元でカキとホタテの養殖業を営む大石秀男さん(57)が険しい表情を浮かべた。

 宮城県石巻市の宮城県漁協表浜支所は同市小渕漁港の近くでワカメ養殖棚が流されているのを確認。気仙沼市の漁業関係者によると、同市大島周辺でもロープが切れた養殖いかだが、かなりの規模で漂流しているという。

 大島のカキ養殖業者(34)は「バリバリと嫌な音を立て、いかだが流されている。明日の朝までに何割が海面に残っているか」と肩を落とした。

 宮城県内の各港では、正午ごろまでに漁船の避難を終えたが、津波の危険が一段落した後も、漂流する養殖いかだに阻まれて港に戻れない船もあった。唐桑半島沖に避難した小型漁船「第3銀鱗丸」(4.6トン)の菅野潔船長(48)は「航路にいかだが流れ込んでいて、危なくて港に戻れなかった」と話していた。

 一方、ワカメ、カキの出荷がピークを迎えている宮城県南三陸町志津川の旧魚市場は40センチほど冠水し、ワカメの塩ゆで用タンクや漁網が散乱。養殖業佐藤一也さん(53)は「被害は明日にならないと分からない」と、不安げに回収作業に当たった。

 ノリ養殖が盛んな東松島市の県漁協宮戸西部支所の尾形一男支所運営委員長(79)は「ノリは昨季より価格が低く、生産量も少ない。津波の影響が心配だ」と語った。

<静かに襲来 津波の猛威>
 養殖いかだや漁具が散乱して浮遊し、魚市場周辺の道路が水に漬かっていた。チリ沿岸部で発生した巨大地震に伴う津波が到来した東北の沿岸部。宮城県沿岸部の姿は、津波のエネルギーの大きさを物語っていた。ヘリコプターで沿岸部の様子を追った。

 午後2時50分。宮城県南三陸町で、志津川湾に注ぐ川の河口付近を逆流する白い波を見つけた。

 「津波ですね」。同乗した東北大災害制御研究センターの阿部郁男研究員(津波工学)が言った。押し寄せた波は閉鎖された水門にぶつかり、沖に向かって引いていく。津波は何の兆候もなく到達した。静かに襲来する津波の恐ろしさを痛感した。

 阿部研究員によると、1メートル未満の津波でも流速はかなり早く、漁業被害が懸念されるという。午後5時すぎに到着した気仙沼市唐桑半島沖では、心配が現実となっていた。

 いつもは整然と並んでいるカキの養殖いかだが、湾内で散乱していた。半分沈んだものもあれば、隣のいかだに乗り上げたいかだも。阿部研究員は「三陸沿岸のカキやホヤ、ノリの養殖に大きな影響が出る恐れがある」と指摘した。

 気仙沼港に目を転じる。午後3時すぎには異常が見られなかった魚市場付近が水浸しになっていた。津波は第2、第3波の方が大きくなることがあり、「50年前のチリ地震津波もそうだった」(阿部研究員)という。

 海岸から数百メートル離れた道路まで冠水した気仙沼市中心部。太平洋沿岸は津波の危険があるという現実を、あらためて思い知らされた。
(写真部・長南康一、報道部・末永智弘)


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